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機密事項





………ヒュイーン、ヒュイーン、ヒュイーン………

「ヒュウガめ……我々を侮りおって。」

「“リミッター”を解除してやった恩を忘れたか。」

「いっそ、ヒュウガごと“奴”を葬り去るか。」

「それはまずい。ヒュウガとて“アニムス”。」

「そうだ。既にヒュウガは既に“器”との同調もはたしている。」

「殺してしまうと憑代として使えなくなるぞ。」

「否。ヒュウガのデータ採取は既に終了している。どうとでもなる。」

「ならば……。」

……チチチ……
モニターのスイッチが入った。

「カインか?」


『そうだ。お前達、消そうとしたそうだな。』


「早いな。もう報告を受けたのか。全く“優秀”な部下なことよ。」

「なに、ヒュウガの能力のほどを確かめただけだよ。他意は無い。」

「ヒュウガなら、いつでも“奴”を葬り去ることができよう。」


『お前達の目的がそうだったとは思えないが、まあいいだろう。 ヒュウガには、もう一つ命令を下した。』


「命令?」


『“アニムス”の選別だ。』


「どういうことだ? カイン。」


『500年前、“接触者”の周りに、多数の“アニムス”がいたことを 覚えておろう?』


「ああ。そういうこともあったな。」

「今回もそれが起こると?」


『恐らくは、な。』


「ならば、もうしばらく様子を見よう。」

「そうだな。」

「“奴”は記憶を失い、今はあの力も無い。」

「捻り潰すことはいつでも出来る。」

「恐れることは、ない。」

「それに……。」

「新たな“アニムス”が手に入るのならな。」

「せいぜい、ヒュウガの手腕に期待でもしようぞ。」

………ヒュイーン、ヒュイーン、ヒュイーン………







あとがき:
あの〜、刀を封印した方が残酷になってしまうんですけど〜。 なんだか痛そ〜。やだ〜。 で、先生、いつの間に整体まで勉強したの?

カインと法院の会話は、動作の描写のしようがない(苦笑)ので、法院の 台詞を「」、カインの台詞を『』で区別しています。一応、行も 開けますけど、こんがらないで下さいね〜。

かなり後になってから、“さい”を死なせなくても(つまり解毒剤で 助かっても)ストーリーが成り立つことに気がつきました。でも、その時には すでに死なせてたんです〜。ごめんなさい。合掌。