TOPへ戻る 目次へ戻る

ある日の風景

ジェシーとラケルが同棲を始めた頃の話ってことで(笑)



ラケルと同棲を始めて数日が経った。
ジェシーは毎朝、どうも納得がいかない。

毎朝、起きてリビングに行くとテレビが点いていて、いつも見るニュースが映っている……。
それが嫌なのだ。

同棲を始める前は、朝、気の向いた時間に起きて、 ゆっくりと誰もいないリビングに行き、ソファーにゆったりと座り込んでテレビをつける。
そんな、何気ない瞬間がジェシーの一番のお気に入りの時間だったのだ。

それなのに、毎朝、ラケルが先に座り込んでニュースを見ている。
……やっぱり納得出来ない。

結局“同じ番組を見てる”んだから、どうだっていいだろう?というツッコミはしたくなるが、 人の気持ちなんて、そんなに単純に出来ているわけでもない。

他人の座り込んだソファーに、後からチョコンと“入れてください”と座り込むのも嫌なのだ。
たとえ、それが愛する女性でも。



数日間、ガマンを重ねたが……。







「おいっ!」
「! おいっ!」

(ピキピキッ!!) テレビを見ていたラケルの“こめかみ”にお怒りマークが入る(汗)。
「“おい”とは何よ! 私にはラケルって名前があるのよ。」
朝もはよからラケルに逆襲を食らうジェシー。

……んなことにめげるジェシーではない。
今日は、ジェシーもお怒りなのだ。(^_^;)

「おいだから、おいなんだ! テレビを消せっ!」
「消さないでよ。今見てるんだから。あなただって、いつも一緒に見ているじゃない。」
「俺は一人で見たいんだっ。」
「それって横暴よっ。」

ラケルの言葉に一瞬ひるんだが、お怒りモードが出現しちゃったんだから、もう止まらない。
「……とにかくっ! 俺は先にテレビが点いているのが我慢ならないんだ! 先にテレビを点けるなっ!」
「私だって見たいの! 勝手なこと言わないで。」

「テレビを先に見るな。それに朝からここに座るなっ! ここには一番に俺が座るって決まっているんだ!!」
言っていることが、ほとんどガキである。(^_^;)

「あなたは既成の概念に囚われない、自由な考え方のできる男性だと思っていたけど、 所詮、ただの第一市民だったのね。」呆れたようにラケル。
「ぐっ!」ジェシーは言葉につまり、言葉の代わりに反射的に手が出てしまうところを、 ようやくのところで自制した。
……それじゃ、ラケルと自分が批判する連中と変わりがないじゃないか。ジェシーは心の中でそう思ったからだ。

それにしてもラケルの言葉はキツすぎる(汗)。(DVのキッカケになるから、言っちゃいけない言葉だと思う……;爆)

ジェシーの態度を見て、言いすぎたと後悔したラケルが白旗を揚げた。
「……ごめんなさい。」
そして、ジェシーに理由を聞いてみる。
「けれど、どうしてテレビを点けていたらいけないの?」
“ヤンチャぼーず”をあやすように(笑)。

「すまなかった。」
テンションさえ下がれば、分からないようなジェシーではない。
ラケルの大人な態度に対し、さっきまでの自分のあまりのガキさぶりを思い出し、 やや赤面するジェシー。(^^ゞ

「……朝さぁ、ソファーに深く座ってテレビを点ける。それが俺の大好きな習慣なんだ。 それが出来ないと、どうにも一日調子が狂ってな。調子が悪いんだ。」
ああ、とラケルが言った。
同棲し始めてから、何故かずっとジェシーの機嫌が悪かったのは、そのせいだったんだ。 彼女は納得した。

「しょうがないわね、あなたの機嫌のためなら。あなたが起きて来るまで、 テレビを点けるのを我慢しているわよ。」
反省するジェシーの顔を片目で確認しつつ、ラケルの方から妥協した。 もちろん、多少のイヤミをこめて。(^^ゞ



……それから……

……1日目……

……2日目……

……3日目……



……イライライライラ……

……イライライライラ……



ん、もう! あれだけ言ったんだから、少しは早く起きたらどうなのよ!



とうとうラケルは我慢の限界に達し、部屋に行くなりジェシーの布団を引っぺがした。




「?!  なんだよ!」
「いいかげん、起きなさいよ!! この寝坊助!!」

…… 朝早々から、またまたケンカ …… いちいち書くのはめんどーだから内容はパス。(^_^;)



そんでもって。



「……わかったよ。さっさと起きりゃーいーんだろっ。起きりゃあ。」
ピキッ!! ラケルのこめかみに“お怒りマーク”



んで、度々のケンカの挙句、二人の出した結論はというと……。





「オハヨ。」
「お早う、ジェシー。今日は早いのね。」ラケルはダイニングでコーヒーを味わいつつテレビ。

一方、ジェシーはそのままリビングのソファーに寝転び、テレビを点ける。
……見ている番組は一緒やん……(汗)

結局、このためだけに2台買ったということさ!!
ちゃんちゃん!!





……あー、書いているほうが疲れた(爆)。
一緒に見ようよー。

あとがき:
後半バテたので、内容はだらだらです。スイマセン。
この話の元ネタは(実は元ネタがあるんです;爆)“新聞”だったんですが、 テレビにしちゃいました(笑)。やっぱり新聞の方が面白かったかもしれない……。
元ネタは、とある伝説の夫婦のエピソードなんですが、あまりにも意外なエピソードだったので (単に奥さんが強すぎただけ?爆)妙に印象に残ってたんですネ(笑)。 旦那が誰も手をつけていない新聞を読みたいとダダこねて、同じ新聞を2誌取っていたという話なんです。 ただ、伝説が多い人なので、これも実話と違うかもしれないですネ(苦笑)。 ラブとピースを訴えている一方で、こんな微笑ましい(?)エピソードがあったのが面白かったんです。