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シタンさんちのサンタ事情

サンタネタ



「(おかあさん)」
「どうしたの? ミドリ」
ミドリは、夕食のお手伝いをしながら、母親に聞いた。
「(……あのね。あのね。どうして、おうちに来るサンタさんは、 いつもお庭に、私へのプレゼントを置いていくの?)」

ユイは顔を微妙に引きつらせた。

ミドリは続けて言う。
「(お友達に聞くとね。みんな、枕元にプレゼントを置いていく、て言うの。 私だけ、サンタさんに嫌われているのかな)」
もじもじと身を小さくして聞く、そのミドリの仕草が、彼女の悩みの深さを物語る。







その夜のこと……

……カチャ……

そっと、ミドリの寝室のドアが開いた。
ミドリはドキリとして、うっすらと目を開けた。
(……なんだ、おかあさんか)

「……ミドリ。まだ起きているの?」
「……」
ミドリはじっとして息を殺している。



ユイはシタンの待つリビングに戻り、大きくため息をついた。
「ユイ。ミドリは完全に寝ましたか?」
頭を横に振るユイ。

シタンもまた、ふぅっとため息をつく。
「……まだですか」

「これで7回目、もうすぐ12時も過ぎるわ。今年も無理そうよ。」
「そうですね。今年こそは、と思ったんですけれどねぇ」

「ドアを開けると、気配で必ず起きちゃうのよ。あのこ」
うつむきがちにお互いの顔をみやるシタンとユイ。






……そうして、今年もまた、ミドリのプレゼントは庭に置かれることになった。







あまりにも気配に敏感な子を持つと、親も大変である。







……どっちに似ても、そうなるよなー。(^^ゞ

あとがき:
クリスマスですねー。サンタさんですねー。
ということで、サンタさんネタで1つ。