ゼノギアスバージョン
「はい、これを置いたらおしまいよ。」ユイがテキパキと指図する。
今日は女の子の日。男は無用。
どっから用意したのか、シタン家の掛け軸の前に、どんと置かれた雛人形。
今日はその前に食卓を準備して、家族全員で楽しく食事。何故かフェイもゲストで呼ばれてる。
宴もたけなわ。
「ミドリ。最近歌を覚えたのよね。歌ってみて。」ユイがミドリに言った。
ミドリが可愛くコクンとうなづいた。
ここ数日、ミドリの声にご無沙汰なシタンは胸がドッキドキ。ユイやフェイには話をするのに、
自分は避けられてばかり。女の子なんてこんなもんかなぁと、シタンは不安を抱いていたりする。
すうっ、ミドリは息を大きく吸ってから歌いだした。
“あ〜か〜り〜を〜つ〜け〜ま〜しょ〜”
うんうん。シタンが笑顔でうなづく。
“き〜え〜ちゃ〜った〜”
ズルッ! シタンはずっこけた。
周りを見渡すと、みんな笑顔でミドリのあどけない歌声に聞き入っている。
“お〜は〜な〜を〜あ〜げ〜ま〜しょ〜”
気のせい、気のせいだ、きっと……。
きっと私が聞き違えたのでしょう。シタンは自分に言い聞かせた。
“か〜れ〜ちゃ〜た〜”
(再び)ズルン!!
再度周りを見渡して見ても、みんな笑顔でミドリのあどけない歌声に聞き入っている。
“ご〜に〜ん〜ば〜や〜し〜は〜”
「ちょ、ちょっと待ってください。」
「どうしたの、あなた。顔色が悪いわよ。」ユイは満面の笑みである。
「……この歌、何かが間違っていませんか?」
この後、ユイの返事にさらにズッコケたシタンであった。
「あら、私が子供の頃に歌っていた通りよ。」
「……全然めでたそうに聞こえない気がするんですけど。今日は確か、お祝いでしたよねぇ。(^_^;)」
「ええ、そうよ。(^^)」
あとがき:
ユイさんも、子供の頃に、誰かにかつがれたんです。きっと。
それを未だに素直に信じちゃっていて、娘に教えてるんです。そのうち、シタンが正しい歌詞を、
どっかから調べてくることでしょう。
この歌に関しては、私が友達に教えてもらって大笑いしたモノです。
子供の頃って、こーゆー替え歌が好きですよね(笑)。
ゼノサーガバージョンでも「全く同じネタ」をやってます(爆)。