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主人公のお名前

ゲームクリア後のお話




みんなでお茶。
平和な午後のひと時。歓談と笑い声が軽やかに響く。

その中、思いつめた表情の持ち主が一人、シグルドに視線を送る。

「あれ? フェイ、どうしたんですか?」その視線にシタンが気づいた。
「ん? フェイ君。俺に何か用か?」続けてシグルドが聞いた。

「うん、シグルドさん。実はお願いがあるんだけど。」

「何ですか? フェイ、あらたまって。」フェイらしくない言い方に、 シタンが問いかける。

「シグルドさん。俺のことを“フェイ君”て呼ぶのを、もうやめて欲しいんだ。」

「何故?」
「フェイ。その呼び方は、シグルドらしくていいじゃないですか。」

「実は、シグルドさんに“フェイ君”と呼ばれるたびに、自分が 未だ『仮初(かりそ)めの人格』の気がするから、嫌なんだ。」



“フェイ君”

“フェイクン”

“フェイク(Fake:ニセ物)ン”



……なるほど……

一同、皆納得。(^^)v





“ああ、名前からして『Fake』(ニセ物、模造品)とは、なんとかわいそうなフェイ”

あとがき:
9年近くも経ってから、この話を思いつく私って…… (^^ゞ
それにしても、すごい“親心”(笑)。
紅茶の名前のお方が紅茶を勧めたり、酒の名前のお方が酒が飲めなかったりと 御茶目なネタが多かったから……。でも、ココアネタってあったっけ?
とにかく、バルト周辺は御茶目だったから、シグルドの台詞まわしも ネタで遊んでいたのかなぁ(笑)。