反省会

	ゲーム終了後、フェイ達が盛り上がっている。
フェイ	「とにかく、壮大なストーリーだったよな。」
エリィ	「そうそう。伏線張りまくりだったわよねぇ。」
バルト	「色々と凝ってたよな。まさか、フェイとイドが同一人物だったとは思わなかったぜ。」
リコ	「俺は薄々気がついてたぜ。先生に上手く騙されたけどな。」
シタン	「申し訳ありませんね。そういう役回りだったもので。」
イド	「結局、俺はフェイに統合されたんだぞ！　やっと俺の本心を語れた途端にな。」
ラムサス	「……塵（ごみ）……。」
イド	「貴様はいらん！」
シタン	「まあまあ。」
フェイ	「そのせいで“イドが可哀相”と、かなりの数のファンがお前に流れたじゃないか。元はみんな俺のファンなんだぞ。」
イド	「うぬぼれるな。勝手に俺を作っておいて、その言い草はないだろう。」
フェイ	「あれは……俺の中の“臆病者”がやったんだ。」
イド	「どっちにしろ貴様だろうが。そうやって責任転嫁するのが、そもそもの原因だろう。」
フェイ	「何ぃ！」
イド	「やるか！」
シタン	「……放っておきましょう。」
ビリー	「いいの？　もうもうと砂煙を巻き上げているけど。」
シタン	「まあいいでしょう。後で薬でも付けておきますから。」
マルー	「ところで、どこが一番印象に残ってる？」
マリア	「……やはり、お父さんが……。」
マルー	「ごめん。悪いこと聞いちゃったね。」
リコ	「先生。そこの砂煙にエリィが参加しそうだが、止めなくていいのか？」
シタン	「じゃあ、もうじき終わりますね。」
ビリー	「どうして？　フェイがエリィさんに頭が上がらないのは分かるけど。」
シタン	「忘れたんですか。彼女は、ヴェルトール・イドを止めた“唯一の”人間なんですよ。ギア・バーラーも使わずにね。」
ビリー	「！？」
リコ	「終わったみたいだな。」
フェイ	「はぁはぁ……。」
イド	「ぜぇぜぇ……。」
エリィ	「まったくもう！」
シタン	「……ゼノギアス最強のキャラかもしれませんね。彼女。」
ビリー	「（実は最強と噂される）先生が言うとシャレにならないよ……。」
シタン	「ビリーはどこが一番印象に残っていますか？」
ビリー	「アルカンシェル戦。親父においしいところを持って行かれた気もするけど。」
シタン	「私があんなものを作ったばかりに……。」
ビリー	「それ、ゲーム中も言っていなかった？」
フェイ	「はぁはぁ……俺はソラリスかな。裏切られたと思った時は目の前が真っ暗に……。」
イド	「正確には、俺の中で寝ていただろうが。」
シタン	「そう言っていましたね。」
エリィ	「私は漂流していたときかしら。精神世界も印象的だったけれど、恥ずかしかったし。そういえば、先生、そんなに料理が下手なの？」
シタン	「一度、食べてみますか？」
フェイ	「止めておいた方がいい。そのあと、必ず薬も飲むハメになるから。」
エリィ	「バルトは？」
バルト	「俺は碧玉要塞だな。ビリーは狙いを外してくれたけどな。」
ビリー	「悪かったね。君とは違って２発目にはちゃんとバベルタワーに当てたでしょう。」
フェイ	「確かにバルトは狙いを外さなかったけどさぁ。余計なもんばっかり撃ってたよな。おかげで２回も死にかけたぞ。」
バルト	「はは……わりぃわりぃ。でも、あそこはエレメンツ達がしつこかったよなぁ。」
ドミニア	「別に我々がしつこい訳ではない。あれはラムサス様とゲプラーの名誉を守るため、仕方が無かったのだ。」
ケルビナ	「まあ、そんなにとんがらないで。済んだことなんだから。」
シタン	「ビリー君。確かあなたは１発目を外し、２発目で鏡に当てたんでしたね。」
ビリー	「そうです。」
バルト	「お前が外したせいで、バベルタワーで２回、碧玉で２回、戦うハメになったけどな。あれはユーザーが迷惑してたぜぇ。途中でセーブはできねぇし。」
シタン	「若くん。実は、あれには理由があったかもしれませんよ。」
バルト	「先生。どういうことだ。」
シタン	「これを見て下さい。」
フェイ	「先生。プレステなんて取り出して、何を始める気だよ。それに、プレステにくっついているこれは何だい？」
シタン	「これは改造コードをいれるツールです。そもそもハード側には演算部とその計算結果を格納するＲＡＭと呼ばれる……。」
バルト	「あ～、細かい説明はいいから！　とにかく“ゼノギアス”をやるんだな。」
シタン	「そうです。スイッチを入れて……。 ……ウチミチさんちの猫、と……。よし！　見ていて下さい。」
	***
	－（ゲーム中）－
ゲーム	「うお！！
ゲーム	「ま、まさか……
ゲーム	「フェイ，フェイ。聞えますか？　急いで、脱出して下さい。
ゲーム	「だめだ……間に合わない……。
	***
フェイ	「おいおい、この大穴開いてるのは、もしかしてバベルタワーじゃないのか？」
シタン	「もしかしなくても、そうです。」
バルト	「何だって？」
ビリー	「僕が撃ちぬいちゃったというの？」
シタン	「そうです。そのためバベルタワーが爆発してしまう。清々するじゃありませんか。あそこには散々苦しめられましたからね。あそこで止めてしまったユーザーも少なくないと聞きましたよ。」
フェイ	「そりゃそうだけど。」
バルト	「そもそも、先生がシェバトを呼んでくれれば、あそこを上らないで済んだんじゃねぇのか？　奥さん、シェバトの出身だろ？」
シタン	「そういう見方もありますねぇ。」
バルト	「何が“そういう見方もありますね”だよ。」
マルー	「若。ストーリーの都合上、あれは仕方が無かったと思うよ。」
バルト	「ユグドラ収容組はいいよな、楽で。俺達は何度も海に落ちたから、ギアが錆びるんじゃないかとヒヤヒヤしたんだぜ。」
マルー	「若がドジなだけじゃない。」
バルト	「ドジなのはお前の方。シャーカーンの野郎なんかに捕まりやがって。これが“大教母”かと思うと……。」
マルー	「うるさいな。若だってフェイ達に何回迷惑をかけたのさ。」
シタン	「……これも放っておきましょう。」
マリア	「好きでやっているみたいですね。」
ビリー	「シタンさん。この１回目、２回目、３回目って何ですか？」
シタン	「憶測の域を出ませんが、“ビリー君が成功するかしないかはランダム”というアイデアがあったのではないかと思われます。」
ビリー	「と、いうと？」
シタン	「３回目には、こういう台詞があるんです。」
	***
	－（ゲーム中）－
ゲーム	「最後の一発も、はずしてしまいましたね……。
ゲーム	「作戦は完全に失敗です……。万策は尽きました……。
	***
ビリー	「と、いうことは、１発目でクリアもあるけど……」
エリィ	「……全部外したか、３発目でバベルタワーを直撃してしまった場合は……。」
シタン	「当然、最初からやりなおしになるでしょうね。だから、セーブさせたくなかったんじゃないでしょうかね。」
	(^_^;)(^_^;)(^_^;)
バルト	「……オレ、そんなゲームやりたくねぇ……。」
全員	「同感！！」