ソフィア倒れる
−カレルレン− ソフィア様っ! ソフィア様……何をやっていたんだっ! ラカン! もういいっ! 貴様にソフィア様は任せられん!
彼女は私がこの命に代えてでも護ってみせる!
−ロニ− いい加減寝たらどうだ? カレル……。一昨日からずっとなんだろう? 体がもたんぞ。
−カレルレン− 大丈夫だ、この程度……。
−ロニ− それ見ろ。ここは僕が看ているから行って寝てこいよ。ここでお前にまで倒れられちゃあいざって時どうする?
お前も大事な戦力の一人なんだってことを忘れるなよ。
−カレルレン− ああ……分かった。
−ラカン− すまない、エリィ。俺は……。俺の判断のミスが君をこんな目に遭わせてしまった。俺は恐かった……。
全てを見透かされているようで……君の瞳が……視線が。あれは君の瞳に映った俺自身だったんだ。俺はそんな自分を見るのが、
描くのが嫌で……だから……君は一体、俺の中に何を見つけたんだ? 君が目醒めたらそれを聞こうと……いや、やめとくよ。
やはり俺なんかの為に君に迷惑はかけられない。それにきっと聞けっこない……。君の瞳を見れば何も話せなくなってしまうんだ。
俺は、自分の気持ちも伝えられない……。
−ソフィア− あなたは誰よりも優しいわ……。
−ラカン− エリィ……。
−エリィ− あなたは自分の行為によって誰かが傷つく事が耐えられない人。だからいつも自分を押し殺してしまっている。
自分が傷ついて済むならそれでいいって…私は……、そんなあなたが好き。
−ラカン− よせ。言ってはだめだ。今の君がただの人になってしまったらみんなは……。
−エリィ− 人は……そんなに弱くはないわ。形だけの象徴なんて必要ない。心の中に光を持っていれば、どんな苦難だってきっと乗り越えられる。
私はそう信じている。私のしてきたことはただ、その光が誰の心の中にも存在するってことを教えてあげていただけ。私だって一人の女だもの。
その性を貫く為なら、今の立場、捨ててもいいって思っている。私はソフィアを演じているだけ。私は私。昔から変わらない。
臆病で、泣き虫で、身勝手で……それが私。あなた、そうやって自分を偽って生きて幸せ……? 私は……そんなのいや。私はね、ラカン。
もっと自分に素直に生きたいの。好きな人には好きって告げたい。断られて傷ついてもいい。たった一度の人生だもの、後になって振り返ることなんてしたくない……。
−ラカン− 俺は……、俺は……。
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