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ミァンの死


−フェイ− ここは……?

―― カールの生まれた場所。そしてあなたへの憎しみが生まれた場所……。

−フェイ− 誰だッ!? こ、ここは……? ……!! あれは、エリィ!! エリィ!!

−カレルレン− よくぞここまで……と言いたいところだが……。それも徒労に終わったな。 神<デウス>の復活は間近だ。その娘をいけにえとして、神は復活する。

−フェイ− ふざけるな!! どうしてエリィがいけにえなんかに!?

−カレルレン− お前達が知る必要はない。お前達はここで終わるのだからな……。

−フェイ− くッ!?

−ミァン− フフ……さよなら、ぼうや達……。


−ミァン− あら、強いわね……ふふ……さあ、もう一度最初からよ。今度は勝てるかしら?

−フェイ− そんな馬鹿な……!?倒したはずなのに……!?

−カレルレン− ナノマシンによる自己修復能力を手に入れたものには通常の攻撃は無意味だ。 原子にまで分解しない限りな……。

−ミァン− さあ、大いなる目醒めの刻が、はじまるわ!

−バルト− な、なんだ、こりゃ!? か、体が……、バラバラになっちまいそうだ!!

−シタン− まさか、これは……。ギア・バーラーが!?

−フェイ− ちくしょう、一体、何が起こったっていうんだ! はッ!? あれは……!? バーラー……? いや、ちがう!! あれは……アニマの器か!?

−シタン− ギア・バーラーからアニマの器が、分離しようとしているのか!?

−フェイ− アニマの器が……、デウスに飲み込まれる!?

−バルト− どうしちまったんだ? ギア・バーラーが……動かねえ!? まるで、 死んじまったみたいだぜ……!

−ミァン− これこそがアニマの器の真の意味。アニムスを得てペルソナへと還る。 アニマの器の真の姿とは、運命られた者と同調することによって本来の機能を取り戻す、 神<デウス>を構成する部品の一つ。アニマの器の抜けたバーラーは、もはやただの でく人形。中身の失われた、容れ物に過ぎない。

−カレルレン− そしてこの娘も、生まれた時から、神の一部となることを運命られた存在。 神の部品なのだよ、エレハイムも……。

−フェイ− なんだって!?

−カレルレン− お前達は、我々のために、部品をわざわざこの場まで運んでくれたという訳だ。 おめでたいヤツらだよ。まるで、道化だな……。

−ミァン− 過去、私とガゼルの法院によって捏造された創世の伝承に従ってね……。

−フェイ− そんな……!? そんなことって……。

−ミァン− 別行動を取り、まだ内部をさまよっているお前達の仲間のバーラーも、死んだ。 過去分かたれた神の部品。その全てが、今ここに集まったのだ。

−カレルレン− ああ。今こそ我等の神が復活する刻だ。

−ラムサス− な、何だったんだ……俺のやって来たことは……

−フェイ− ラムサス!?

−ミァン− あなたの存在意義はただ一つ。天帝カインを消すこと。カインはヒトとしての意志が 強くなり過ぎていた。ヒトにこだわり過ぎていた。神の復活というその当初の使命を忘れてね。 だからあなたを創ったの。私達の障害となるカインを消す為だけに、あなたは創られたのよ。 原初生命体として絶対的な力を持つカイン。カインに抗敵されるには、あなたの精神を一点に 集中させる必要があった。しかし、人工生命体であるあなたの精神状態は不安定だった。 だから……フェイという存在を利用したの。憎しみ……それがあなたの力の源……。 あなたは見事私達の期待に応えてくれたわ。でもね……あなたはもう用済みなのよ? 解っているかしら? もうあなたの出る幕はないの。あなたは塵なの。塵は塵らしく、 この場から退場しなさい。ふふふふ。

−ラムサス− 俺は……俺は……、何のために生まれ、何のために生きてきたのだ?

−ミァン− さあ、後はあなた達の処遇だけど……。そうね、ただ殺すには、あなた達は本当、 色々と役に立ってくれたわ。だから、せめてものお礼よ、神のいけにえとして、 この娘と一緒に吸収してあげ……うぐっ!

−フェイ− ラムサス!!

−ミァン− そう……、それでいいのよ、カール……。私は、自らを滅することは、出来ない運命……。 これで……全て……の願いが……かな……う。あなたと……。

−ラムサス− ……。ミァン……。う、うわぁぁぁぁぁっ!!