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回想、ラムサスの記憶


−カレルレン− ほぉ……。”今度の”体は若いな。

−カレン− ……前の体は古くなっていたのよ。

−カレルレン− ……名前は?

−カレン− カレン……。でも私にとって個体の名前は意味をなさないわ。

−カレルレン− ……で、わざわざここにくるとは何用だ?

−カレン− このリアクター内のものは例の?

−カレルレン− ん? ……ああ。識別コード、0808191−”ラメセス”。天帝には人工接合者のヒナ型と 伝えてある。

−カレン− 状態はどう?

−カレルレン− いわゆる第一次成長期に入ったところだ。後の成長、固着するまでは常人の倍の速さとなる。 だが、いささか精神のコントロールが難しい……。……複製なのだから当然と言えば当然だがな。

−カレン− 動いている……。聞えているのかしら?

−カレルレン− ……ああ。これに意志は既に存在している。

−カレン− そう……。ならいい方法があるわ。捨てましょう。これは必要ないわ。私の子供がいるから。 今年で4歳になるわ。

−カレルレン− お前が子を生すとはな……。余程のことか。

−カレン− ……ええ。調べてわかったのだけど、”接触者”に間違いないわ。

−カレルレン− 名前は?

−カレン− ”フェイ”。それが私の子の名前。だから……わかるでしょう?

−カレルレン− 対となる存在が……。

−カレン− ……ええ。恐らくはどこかに生まれているはず。……最後のね。

−カレルレン− ならば、……こいつは塵だ。

−カレン− 塵ね。フフフ……追いかけなさい、”坊や”。いくら求めても得られない愛を。 その刻まで……。


−ラムサス− 貴様が存在したおかげで、この俺は廃棄処分とされたのだ……! 天帝の力を持ち、 神の代弁者として、絶対的な行動力を持った存在として、俺は生まれるばずだった。なのに……、 すべて貴様のせいで!!

−フェイ− お、俺の母さんが……? 何故……そんなことを……ラムサス……。

−ドミニア− 閣下! もうおやめ下さい! 閣下のおっしゃった事が事実であるというのならば、尚更、 閣下が戦われる理由はないのです! 閣下はカレルレンらにたぶらかされ……。

−ラムサス− だまれっ!! 貴様、貴様までこの俺を攻撃するのか!? 被験体となりかけていたところを 救ってやったこの俺を!!

−ドミニア− それは違いますッ! 私達は閣下の御身の為を思えばこそ……。

−ラムサス− 黙れっ!! 所詮、俺には、俺しかない! 俺は俺によってしか癒されない! 行くぞ、フェイ!! これが最後だっ!!