−カレルレン− 久しぶりだな、ラカン。
−ラカン− カレルレン。戻ってたのか?
−カレルレン− ああ、昨夜着いたばかりだ。絵の具の顔料を採りに自宅に戻
るんだろ? ソフィア様から聞いたよ。私が送っていこう。
−ラカン− いいのか?
−カレルレン− ああ。僧兵隊の指揮は別の者にとらせておく。最近はソラリ
スのせいで道程、常に安全とはいかなくなってきたからな。
それに、私の方が安心だろう?
−ラカン− ……すまない。……なんていった?今お前が学んでいる師
の名は?
−カレルレン− メルキオール師だ。
−ラカン− それにしてもどうして学問なんて?
−カレルレン− ソフィア様から心を落ち着けるには本を読むのが一番だって
教えられてな……。それがきっかけなんだ。それからさ、私
の向上心に火がついたのは。……今じゃ、日に3冊の本を読ん
でいる。
−ラカン− 変われば変わるもの。……武術のこと、それしか頭になかっ
たお前がね……。
−カレルレン− おい、ひどいなそれは。こう見えても師の門人の中では最も
優秀なんだぞ。
−ラカン− そうか……。いいな、そうやって打ち込むものがあるっての
は……。
−カレルレン− 何を言う。お前だってあるじゃないか。“絵”という立派なや
つが。あやかりたい位だよ……。
−カレルレン− 観てくれラカン。やっと形成に成功したんだ。これで人々は
救われる。そうですね? メルキオール師。これでソフィア
様も……。