―― 戻ったか……。それで? 目当てのものはあったのか?
−カレルレン− ああ。ナノマシンの群体。手に入れたよ。
―― 酔狂なことだな。
―― それよりM計画、進んでいるであろうな? 我等には、より完璧な肉体としもべが必要なのだ。
―― ここに至るまで、あまりの年月を重ね過ぎた。予想され得る文明の到達点、見誤る訳にはいかん。
―― 我等は"母"の為に存在しているのだ。
−カレルレン− ふん。自らのエゴを存続させる為、一時は“創造主”であるその母ですら売った貴様らの言う台詞か……。
―― あれは……過去の愚行。肉体の呪縛に囚われていた時のこと……。現在<いま>は違うよ。
−カレルレン− 貴様らの指図は受けん。過去、肉体を失った貴様らをそのSOL-9000上のデータとして復活させてやったのが誰か、
忘れたわけではあるまい。ヒトにとっては永遠とも思える年月も神にとっては瞬きの一瞬。臆することなど、ない。