どーしよーもなく馬鹿話です
シオンの部屋
けたたましく部屋の通信機が鳴った。シオンがスイッチを入れる。
モニターに映ったのは、いつものミユキの人懐っこい笑顔。
「あ、ミユキ! どうしたの?」
「せんぱ〜い! 先輩の新しい武器の設計のことなんですけどー。
どうも小型化が難しくって、
どうしたらできると思いますー? 先輩だったら、この総重量でも
使いこなせますか? ね、先輩。聞いてます?」
「あ、うん。そのことなんだけど……。ミユキ、あのね。実はあなたに折り入って
頼みがあるの。」
「せんぱーい。何を言ってるんですかぁ。先輩との仲じゃないですか。
何だか水臭いですよー。その言い方。で、何ですか? 頼みって」
「お願いなんだけど、絶対に笑わないで聞いてくれる?」
「私が笑うわけ無いじゃないですかー。」
「あのね……(ごにょごにょ)。」
「ええーっ! せんぱいー?」ミユキの声が、部屋中にリフレインしている(笑)。
「しー! ミユキ! しーっ。一度やってみたかったのよ……お願い。(*^_^*)」
「……(まさか先輩が)……分かりました。少し時間を下さい。あと……私、
あまりよく知らないので……。」やや混乱気味のミユキ。
「あ、資料のこと? ここにあるから、今送るわね。『ポチッ』とな(笑)。
……届いた?」
「(……せんぱい? 実は相当ノリノリ?)あ、届きましたよー。
ファイル名は“PLAN_P”ですね?」
モニターのミユキは右手を挙げた。「了解(ラジャー)!!」
数日後(笑)
デュランダル。
頭の後ろで手を組み、鼻歌交じりで歩くJr.。
「よ。ドクトゥスじゃねぇか。」
「シオンいない? これ、ミユキに頼まれて持ってきたのよ。」
「シオンなら、今取り込み中だぜぇ。また、KOS-MOSが暴走したとかどーとか。
荷物なら俺が預かってやるよ。」
ニコニコ返答した後、声をひそめてポツリ。
「つーかさぁ、デュランダルのセキュリティシステムを潜り抜けて、勝手に中に入って来んなよ。」
「あら、ここのシステムは私たちにとって『ザル』よ。
文句があるなら、もう少しマシなシステムを作ることね。」
やおら、頭から手を下ろして、Jr.は握りこぶし(笑)。
「……いちおー検知してる。だから、俺がここにいるんだよ。
今度見つけたら、ただじゃおかないぜ。」
独特(名前の駄洒落;笑)のメガネかけているから、ドクトゥスの表情はイマイチ分からない。
「どうぞ(笑)。やれるものなら。で、荷物はこれね。」
ポイポイポイっ。次から次へと、Jr.に小箱を放り投げるドクトゥス。
……いいのか? 預かり荷物だぞ? 外箱には『精密機械 取り扱い注意』の文字があるんだが。
「全部で5個。間違いないわ。いい? じゃあ預けたわよ。」
「分かった。必ず渡しておく。……ところで、どうして配達人がお前なんだよ?」
ワケが分からないという表情を浮かべ、両手を広げて首をかしげるドクトゥス。
「……声優つながりとか何とか……配達人だったとか、性格設定もちょうど良かったとか、
私にはよく分からない理由で、白羽の矢が当ったようよ。まったく、忙しいのに……。
いい迷惑だわ……だロプ!」
捨て台詞を残して、ドクトゥスはその場から消えた。
「は? 『ロプ』? 今、ロプって語尾に付かなかったか? なんだぁ? あいつ。」
しばらく間を置いてから……
「……ロプだってぇ、ロプ! あいつの語尾、ロプだってぇ。似合わねぇーっ!」
廊下に倒れ、笑い転げすぎて、起き上がれなくなるJr.
「あー! 腹イテェ。ぎゃっはっは!」
「あれぇ? Jr.さん、こんなところでどうしたんですか?」
素晴らしくタイミングよく通りかかるM.O.M.O.。
声をかけられて、シャキーンと立ち上がり、おもむろに髪を掻き揚げ、カッコつけるJr.。
「ああ、ちょっとな。(今の見てねぇよな;汗)」
(今更遅い!!)
「この小箱、何ですか?」
「シオンに届け物らしい。みんな同じようだから、一つやるよ。」
Jr.の悪戯っぽい笑みが炸裂。
「いいんですか?」
「いいって、いいって。5つもあるんだからさぁ。」
さらに後日(笑)
「ねぇ、Jr.君。ミユキから私宛に荷物が届いていなかった?」
廊下を歩いていたJr.の背後から、声をかけるシオン。
「ん? ああ、来てるぜ。」Jr.は懐から小箱を取り出した。10センチ四方の小さな小箱。
「これだろ?」
ヘラヘラ、と笑うJr.。
「うん。これこれ。ありがとう。Jr.君。」
「おい、シオン。これって何に使うんだ? ミユキから来てるってことは、
何かの武器なんだろ?」
「うーん、武器というか……パワーアップアイテムかな?」
「何に使うんだい?」Jr.がニヤニヤとイタズラっぽく聞く。
「うーん……。やっぱりナイショ。」
「いいじゃねぇか、教えろよー。」
「ダメ。使うまでナイショ。」笑いながら、シオンは小走りに去っていった。
んで、とーとつにダンジョン突入ってことにしてみた(笑)。
メインメンバーは、シオン、Jr.、M.O.M.O.の“エーテルには困らないけど、体力と攻撃力に不安あります組”。
お約束のグノーシス登場!! (……ダンジョンですから……)
「出たわね。いくわよっ!!」
シオンは、腰にぶら下げていた小袋から、小箱を取り出し、ピッピッピとボタンを押した。
「○リキュア メタモルフォーゼ!!」
彼女の身体が青い光に包まれる。その後……
「知性の青き泉 キュア アクア!!」思いっきり、某キャラに変身したシオン。
「プリキュア サファイア・アロー!!」とM.O.M.O.もビックリの技で、グノーシスを射抜いてみるシオン。
「ん、成功成功。さすがミユキの新型ね。」髪の毛サラリと、ご機嫌のシオン。
「そうか。そうやって使うんだな。」
後ろから不穏な空気(?)の声が……
“ピッピッピ”
「え?」
自分以外の場所から、同じ音がしたことにビビるシオン。
「プリキュア メタ○ルフォーゼ!!」残りのメンバーの大合唱(笑)
「大いなる希望の力 キュアドリーム!!」と M.O.M.O.
「情熱の赤い炎 キュアルージュ!!」と Jr.
「安らぎの緑の大地 キュアミント!!」と ジン(汗)
「弾けるレモンの香り キュアレモネード!!」と ジギー(滝汗)
……………………
……………………
……………………
前半の二人はいいけど、後半の二人の格好は“ほとんど犯罪”である(爆)。
一拍間を置いて………
「スカイローズ トランスレイト!!」
今度は、KOS-MOSが!
「青いバラは秘密の印 ミルキィローズ!!」と KOS-MOS(何かが違う……)
「な、なに? この人たち。何が起こったの?」
シオンが硬直している間にも、状況は進行するわけで……。(^^ゞ
「プリキュア シューティングスター!!」 (M.O.M.O.)
「プリキュア ファイアーストライク!!」 (Jr.)
「プリキュア エメラルドソーサー!!」 (ジン)
「プリキュア プリズムチェーン!!」 (ジギー)
「邪悪な力を包み込む、きらめくバラを咲かせましょう ミルキィローズ メタルブリザード!!」 (KOS-MOS)
あわれ、新型装置(?)の実験台にされたグノーシスは、見事に散っていったのでした。(^_^;)
素直に、アーツと必殺技を使えよ……
「ミユキー。あれ、どういうことよー!」後に、モニターに向かって叫ぶシオンがいる。
「せんぱ〜い。私に言われても困りますぅ。先輩の送ってくれた資料には、5人分のキャラが
あったんですもん。先輩がどのキャラになりたいのか教えてくれなかったから、
全部なりたいのかと思って、一通り作っただけですよぉー。」
対して、困惑するミユキ。
「じゃあ、あのKOS-MOSは何なの? 私、あの資料は送った覚えはないわよ。」とシオン
「先輩の資料ではよく分からない部分があったので、ヴェクターの資料倉庫をあたってたら、出てきたんです。
ヴェクターの資料倉庫って、何でもあるんですねー(笑)。
あれ、KOS-MOSの直接転送なんですよ。実装にするのにすっごく苦労したんですから。」ミユキは得意満面。
「で、出来はどうでしたか? 良かったでしょ?」
「……あまり深くは聞かないで……。見なくないものまで見ちゃったから。」
「せんぱーい。“見たくないもの”どういう意味ですか? 私にも教えてくださいよー。」
おっさん二人がフリフリスカートはいてる図なんて、言えるかーーーーーっ!
と、いうことで、「新型装置」は封印され、二度と使われることがありませんでした。おしまい!
あとがき:
はい、思いっきりプリキュアネタ行きましたー。(^^ゞ
いちおー、ネタは相変わらず声つながりです(前田さん)。
プリキュアのキャラの色ってさー、とか思っちゃったら出来ちゃったんです。こんな話。
ジギーのあの姿を想像したら、笑いが止まらなくって。あの顔で、ですよー。
なので、しょーもないお話にお付き合いくださり、ありがとうございました。<(_ _)>
あ、ドクトゥスの「ロプ」は完全にシュミに走ってます。
だって、ぱくろみさんの、「シロップ(ロプ語のネタ元)」が好きですから(笑)。
ぬいぐるみモードがかわいいんだ。シロップ(笑)。
ということで、声優つながりで性格が似てるんだか似てないんだかの微妙なところで、
意味も無くドクトゥスに登場願いましたです。
コレ、実は1年前に書き始めたんだけど、気力が続かなくってボツ倉庫(苦笑)に
入ったままだったんですね。つーか、次の新番組の公式サイトで
プリキュアの5人がそのまま出ることを知ってしまったんで、
つい延び延びなっちゃったんです。さすがに今度はメンバーが変わっちゃうだろ、
ということで、慌てて仕上げました。1年も引っぱる話かなぁ……。(^_^;)