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対決!! メタ○マヨ

旅のジンさん便乗シリーズ(笑)



ドッスーン!!

ジンとケイオスが飛び退けた場所に、“異形のモノ”が飛び降りてきた。

「?!」

高さは、ジンの1.5倍。その姿は、黄色いボディに……赤いキャップ?

まよ〜〜〜!
赤いキャップのふたが開いた。

ぴゅっ!
そこから飛び出した液体が、狙い違(たが)わずジンの口の中へ。

「……マヨネーズ?」

「ジンさん!」
「こころなしか、身体が少し重くなった気がします。」

「ジンさん。顔が……、顔が丸くなってる(汗)。」

ケイオスにそう言われたジンは、自分の頬と顎をなでさすった。 さっきまでとは、顔のラインが明らかに違っている。
「……なるほど。先程の液体のせいのようですね。」

「まよ〜、よっよっよっ。」
“バル○ン星人”並みに高笑いするメタ○マヨ。

「ジンさん。“彼”は、ここから引き返せと言っているよ。」
「ケイオス君、貴方には彼の言葉が分かるのですか?」
「はい。ある程度なら。」

+++++ ケイオス同時通訳中 +++++

「私達はこの先に用がある。ここで引き返すわけには行かない!」
「まよ〜(この先にはどうあっても行かせない。引き返せ!)」

すちゃ!
ジンが腰の長光(ながみつ)を抜いた。
「では、仕方がありませんね。怪我くらいで済めばいいのですが。」

「ケイオス君。行きますよ!」
「はい。ジンさん。」

相手もさるもの。図体に似合わぬすばやい動きで、ジンの刃とケイオスの掌をやすやすとかわし、 その合間に“マヨネーズ攻撃”。

ジンとケイオスも、マヨネーズが口に入っては堪らないと、すばやく避け、また攻撃。
一進一退の攻防が続く。
が、しかし……。

びゅっ!
「くっ……。」
マヨネーズ攻撃を刀で避けた拍子に、マヨネーズの細かいしぶきがジンの身体に降りかかった。

「ジンさん?!」
明らかにジンの体型が変わった。変わり果てたジンの姿に、思わずぷぷっと吹き出すケイオス。
「ケイオス君。笑っている場合ではないでしょう。」
「そ、そうで、すね。ぷぷぷ。」

+++++ 相変わらずケイオス同時通訳中 +++++
「まよ〜、よっよっよっ!(どうだ、身体にかかっただけでも一気に太るぞ! さあ、どうする?)」

「これは、やっかいですねぇ。」とジン。
「動いて体重を減らすしか無いでしょうね。」とケイオス。
「しかし、これでは身体が重すぎて、動けませんよ。」とジン。
「ジンさんらしくないですね。そんな弱音を吐いていたら、このダイエットは 成功しませんよ。目標は“ビクトリー!!”ですから。」とケイオス。
「この話は、いつからダイエット(ブー○キャンプ)の話になったのですか?」
「ジンさん。来ます!」
「ケイオス君……。(……ごまかさないで下さい)」

「破!」
ジンを庇ったケイオスの掌から放出されるエネルギー波を、素早くよけるメタ○マヨ。

「そぉりゃぁっ!」
待ってましたと、ジンの刃(やいば)が捉えた。
かすった切り口から、マヨネーズが飛び散る!!

「ジンさん。危ない!」
咄嗟にジンとの間に飛び出すケイオス。
ビチャッ!

「ケイオス君……?」
哀れ、マヨでずぶ濡れのケイオス。
……じゃなくって、マヨの呪いでブクブクとケイオスの体型も変わっていく。
ああ、想像に耐えられない二人の姿(号泣)。

+++++ こっそりとケイオス同時通訳中 +++++
「まよ〜、よっよっよっ!(さあ、どうする? 斬っただけでも噴き出すゾ)」

「……身体が……重い……。」
「そうですよ。“ダイエットだ”なんて、私を笑っている場合じゃないのですよ。 しかし、このままでは……。」
ジンはメタ○マヨを見た。 自分達が肥大化したせいなのか、マヨの姿がスリムになったように見える。

「そうか!」
「どうしました? ジンさん。」
「分かりましたよ。彼のマヨネーズ攻撃は、明らかに自分の身を削っている。 彼が自身を使い切ったときに、彼を倒せば……。」
「しぶきがかかることはない、ということですね。」とケイオスが続きを言った。
「その通りです。では、行きますよ。」

身体の重さにゼイゼイいいながら、ドタドタッと攻撃を開始するジンとケイオス。 ああ、情けない……。
マヨネーズがかかりそうになるたびに、お互いの必殺技でマヨネーズを瞬時に 蒸発もしくは凍結させる二人。

「あと、もう少しです。」
最後の絞りカスが、ブシュブシュシューと飛んできた。
情けないくらいに、へにょへにょに薄っぺらくなったメタ○マヨ。裏側が透けて見える。

「今だ!」
ジンが(斬るために)左脚を踏み込もうとした瞬間―――――。

“ぴゅあ〜(もうやめて)”
+++++ 健気(けなげ)にケイオス同時通訳中 +++++
“ぴゅあ〜(お願い―――)”
「何?」
白いキャップのマヨが、もう一体出現した。

「まよ〜(今さら、のこのこ出てきやがって何のつもりだ)。」
「ぴゅあ〜(なぜ自分自身を否定するの)。」

「ぴゅあ〜(お願い、自分を受け入れて)。」
「ぴゅあ〜(貴方は誰も憎んではいない)。」
「ぴゅあ〜(憎しみを持てない自分を否定したいだけ)。」
「まよ〜(解ったような口をきくな)。」

「まよ〜(ピュ○セレクトのお前やカロリーハーフのあいつは、 いつも真っ先に買われて行ってしまう)。」
「まよ〜(ひとり、商品棚に残される俺の気持ちが分かるっていうのかよ。)」
主人公のはずのジンとケイオスをその場に置き去りにして、 二人の世界にどっぷりと入り込むマヨコンビ。

「ぴゅあ〜(そう、そのことが貴方を苦しめる結果となった)。」
「まよ〜(俺が真っ先に売れるのは、広告対象で大幅に割引になったときだけ)。」
「まよ〜(この悲しさがお前に分かるのか)。」
「ぴゅあ〜(私は、この苦しみから貴方を解放したいの)。」

「ぴゅあ〜(思い出して…)。」
「ぴゅあ〜(“ママ、おやさいちゃんと食べられたよ”と言った小さい お友達の、あのキラキラ輝く瞳を)。」
「ぴゅあ〜(小さいお友達を持つお母さん達の、喜びに満ち溢れたあの顔を)。」
「まよ〜(ああ、思い出したよ)。」

「ぴゅあ〜(あの瞳を見たくて、お母さん達は貴方を買いだめするのだから)。」
「ぴゅあ〜(だから、自分を否定しないで。見失わないで)。」
「ぴゅあ〜(貴方がいたからこそ、私達が生まれたのよ)。」
「ぴゅあ〜(付加価値は、元々価値のあるものにしか、付けられないの)。」
「ぴゅあ〜(だから、貴方自身が自分の価値に気付いて欲しいの)。」
「まよ〜(そうだな)。」

「ぴゅあ〜(さあ、行きましょう。みんなが、待っているわ)。」

光に包まれるマヨコンビ。その光が薄れるとともに、マヨ達の姿も透き通っていく―――――。

“行け。お前達の求めるものはこの先に―――――”

一言を残して、マヨ達は消えた。

あっけに取られた二人がお互いの顔を見合わせると。
「ジンさん。元に戻っているよ!」
身体の軽さを確かめるように、ぴょん、ぴょんと飛び跳ねるケイオス。
「そのようですね。」抜き身の刀を軽く振り、鞘に収めるジン。



「おお。これが伝説のサラダソース!」
お約束の台座に仰々しく置かれた、大袈裟に立派な箱を開け、これもまたお約束の光に 包まれた中身を取り出す二人。
パッケージが妙にまぶしい。
「白だろうと黒だろうと赤だろうと、どんなカレーにでもあう、 絶妙のサラダが作れるという……。」



その帰路
「サラダソースだけじゃなく、あのマヨネーズのことも、 ケイオス君、あなたは知っていたのですか?」
ジンがおもむろに切り出した。
「彼の悲しみが、U.M.N.をずっと濡らしていましたから。」
「……そうですか……。」ため息交じりの言葉に、 ケイオスは居たたまれなくなり、聞いてみた。
「怒っていませんか?」


「なあに、実にすがすがしい気分ですよ。」
ジンの笑い声が響いた。

あとがき:
あまりにもマヨが気に入ってしまって。(^^ゞ
どーにか旅のジンさんにからめられないかと、必死こいて書いてみました。
あと、私にマヨの恋愛話を延々と吹き込む御方がいたもので……。 実はバジフェブの台詞を一部借用しています。バジフェブのパロ入ってます(爆)。
メタ○マヨが一部伏字になっちゃっているのは、「メタ○マヨで検索をかけると、 このページ(元ネタ、石うさぎさん)にたどり着けるんですか?」と真顔で私に聞いた人が いたからです。伏字にせざるをえなかったんです。スイマセン。(^^ゞ

今、カレーって色々な色があるんですね。昔、グリーンカレーを食べて、(辛すぎて) お腹を壊したことはありました(実話)。なので、白カレーに挑戦する勇気は出ませんネェ(笑)。

最後の台詞は、「旅のジンさん」ならではです。さわやかに締めないとね〜。(*^_^*)
ケイオスがジンを担ぐお得意の名水パターンも案の中にあったけど、 やっぱり「旅のジンさん」らしくなきゃ(力説)!!

ということで、モコさん。また、お借りました。ありがとうございます!