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お兄ちゃん

ジン18〜19才、シオン5〜6才を想定しています



「ねぇ、シオン。あなたもお兄ちゃんの勉強のジャマばかりしないで、 そろそろ一人で遊びなさい。」

「いや。シオン、お兄ちゃんと遊びたいもん。」

「シオン…。お兄ちゃんから聞いてる? お兄ちゃんね。もうすぐ、 この家から出て行っちゃうのよ。」

「え……。どうして? シオンのこと嫌いになったの?」

「違うの。この星を出て、もっと大きな世界でお勉強するのよ。お兄ちゃんも大人だから。」

「お勉強なら家でも出来るじゃない。シオン、そんなのイヤ!」

「シオン!」




「……ねぇ、お兄ちゃん?」

「なんだい、シオン。そんなところに隠れてないで、兄さんのところにおいで。」

「お母さんから聞いたけど、お兄ちゃん、この星を出ちゃうの?」

「そうだよ。外に出、もっと広い世界を見、見識を広げたい……。 大丈夫、ちょくちょく家には帰ってくるからね。 心配いらないよ。シオン。」

「お兄ちゃんのバカ! シオン、そんなお兄ちゃん大っキライ!」

「シオン…。」


……シオンのこと、置いて行っちゃうなんて……

……いつもいつも、シオンはお兄ちゃんと一緒にいたいのに……

……お兄ちゃんはシオンのこと、きっとキライなんだ……




「ねぇ、お母さん。お兄ちゃんはいつ帰ってくるの?」

「そうねぇ。この前の連絡じゃあ、当分帰れそうもないって言ってたわ。」

「お母さん、いつのまにお兄ちゃんとお話したの?」

「え?」

「どうして、シオンとはお話してくれないの?」

「それは、あなたがもう寝ている時間だったから。」

「お兄ちゃんのイジワル!」

「あ、待って。そうじゃないのよ、シオン。」


……シオンのこといつも考えているって言ったのに……

……シオンのこと、もう忘れちゃったんだ……

……シオンは、お兄ちゃんのことばっかり考えているのに……




「お母さん。お父さんは今日いないの?」

「今日から1ヶ月ほど出張だって。」

「ええ? この前やっと出張から帰ってきたばかりじゃない。 また出かけるの?」


……お兄ちゃんもお父さんも、シオンのこと置いていってばかり……

……前は、シオンの話いっぱい聞いてくれたのに……

……広い背中にシオンのこと、おんぶしてくれて……




「お母さん、具合悪いの?」

「ううん、大丈夫よ。少しめまいがしただけ。」

「少し、横になったほうがいいよ。」

「ありがとう。シオン。」

「あとは、シオンがするから。」

「まだ小さいのにね。助かるわ。」


……お母さんの具合がずっと悪いのに、お兄ちゃんもお父さんもどうして家にいないの……

……早く帰って来てよ。お母さんがどうかしちゃうよ……

……お母さんとシオンのことなんかどうでもいいの……




「ただいま。」

「まあ、1年ほど見ないうちに、すっかり大人らしくなって。」

「よく帰ってきたな。向こうの様子はどうだ。」

「ええ。」

「その話はあとあと。さぁさ、中に入って。」

「あれ…、シオンは?」

「さっきまでここにいたけど、どこに行ったのかしら。」

「あ、いた。シオン、そんな陰に立っていないでこっちに来なさい。 お兄ちゃんが帰ってきたよ。 お前、お兄ちゃんが帰ってくるのを指折り数えていたじゃないか。」

「ただいま。シオン。なかなか休みが取れなくて、長く待たせてしまったね。」

「……。」

「シオン。お兄ちゃんよ。」

「いや……。」

「前はお兄ちゃんの後ろを付いてまわっていたのに。おかしな子ねぇ。」


……あの人、誰?……

……シオン、あんな男の人知らない……

……シオンの知っているお兄ちゃんは、あんな怖い大人の顔してない……

……いつもいっぱいの笑顔でシオンのこと見ていてくれたのに……

……もうシオンの知っているお兄ちゃんは、どこにもいないんだ……

あとがき:
実は少女時代の1コマかも(笑)。
だから、ジンとシオンの関係って私にはシャレになっていないのです。 当初ジンがさっぱり書けなかったのも、きっとそういう理由が私にあるからです。 (なので、二人のやりとりで時々あれれ?という部分もあった:笑)

でも、今は私が外に出て連絡一切していない。弱ったもんだ(苦笑)。 ほんとシオンにそっくり。じゃあ、あのヒステリー気質も同じなんだろか(不安)。 霊感はない(無いと信じている)けど、時々金縛りとデジャブは体験します。
最近一番笑っちゃったデジャブは2006年の8月に発生しました。 朝方ゼノサーガをやっていて、「あれ? この画面見たことが…あ。ああ!」 その夢の中では「私、どうしてゼノサーガなんかやっているんだろ? ゼノサーガは もう買わないって決めたのに。それもすごく楽しくやっている。変だな。」と考えていました。 数年前の夢だったので、てっきりやっている画面はゼノサーガの2だと思っていました。 時期は暗かったから真冬だと思ってたし。でも実はゼノサーガの3だったのね。 まさか、ゲームをやっている自分が夢に出てくるなんて、普通はないでしょ。

え、この人? かっこいいよ〜。うらやましがられたもん。「いいな〜あの人の妹で」って(爆)。 人間のタイプは、どちらかというとシグルドに近いかも(なのでシグルド苦手;笑)。 いるだけで何故だか目立っちゃう人。 だから、バルトとシグルドの関係も私にはシャレになってない(笑)。 「いくつになっても、あいつに勝てやしない。」(バルト) この一言に、そうなんだよね〜と大笑いしました。

またあとがきが長い。長くてごめんなさい。